【ORAS】ハピナス(特殊受け型)についての育成論
2016/07/10
今回はシングルバトルにおける「ハピナス」の育成論です。
【ハピナス】
種族値:H255 A10 B10 C75 D135 S55
特性:しぜんかいふく、てんのめぐみ、いやしのこころ
概要
ハピナスは、金銀で登場したノーマル単タイプのポケモンです。HPとDの種族値が圧倒的に高く、ORAS時点で全ポケモン中最も特殊耐久が高いポケモン(持ち物補正なしの場合)です。Bは非常に低いものの、HPが非常に高いおかげでBに努力値を振れば平均程度の物理耐久となります。
Cも平均程度ある上、Sも耐久型としては遅くない数値なので、特殊受けとして運用する場合には文句なしの性能を持っていると言えます。
ノーマル単タイプであるため、弱点が格闘しか存在しないというのも数値受けが可能なハピナスにとって嬉しい要素と言えます。
しかし、進化前のポケモンのBDを1.5倍にするアイテム「しんかのきせき」がBWで登場したことによって、持ち物補正を含めた場合の特殊耐久は自身の進化前である「ラッキー」の方が高くなってしまいました。
しかし、C種族値の差やアイテムの自由さなどラッキーと差別化できる要素は多いので、現環境でも十分特殊受けとして活躍できます。
特性
しぜんかいふく(他のポケモンと交代すると状態異常が治る)
耐久型であるハピナスと相性が良い特性。本来であれば耐久型が機能停止してしまう「どくどく」もこの特性によって交代するだけで治るので、非常に扱いやすくなります。
性格
ずぶとい(Bが上がりやすくなり、Aが下がりやすくなる)
役割は「特殊受け」ですが、Bに努力値を振ることで元の種族値が低い物理耐久もそれなりの数値となり、役割破壊に強くなるため「ずぶとい」とします。6世代から特殊技の威力が下降修正されたことで、Dに補正をかけなくても特殊は十分受けることができるというのも理由になります。
持ち物
きれいなぬけがら(必ず控えのポケモンと交代できるようになる)
特性「かげふみ」のメガゲンガーを強く意識した持ち物。メガゲンガーは豊富な技を覚えるため型が読みづらく、後出しから安定して処理することが非常に難しいポケモンです。
攻撃技を受けることができるポケモンであっても、「かげふみ」で交代できないと「ほろびのうた」で強引に処理されてしまうことがあります。進化前の「ラッキー」はC種族値が非常に低く攻撃技はゲンガーに通らない「ちきゅうなげ」しか採用しづらいため、攻撃こそ受けることができますが相手への打点がない上に「ほろびのうた」型には為す術がありません。
しかし、ハピナスの場合はこの持ち物と高い特殊耐久、平均程度の特殊火力によって、メガゲンガーに後出しから打ち合うことも、「ほろびのうた」から逃げることも可能となり、ほぼ全ての型のメガゲンガーに安定して後出しすることが可能となります。
技構成
効果:相手を「もうどく」状態にする。
耐久型ポケモンにお馴染みの汎用的なダメージソース。この技があることによって相手の特殊ポケモンをじわじわと削ることができます。相手の「どくどく」にはこちらの特性「しぜんかいふく」によって対応できるので、居座りやすいのも魅力的です。
効果:HPの1/2を回復する。
耐久型には欠かせない回復技です。PPも最大16と十分にあり、天候によって回復量が左右されることもないので、安定して使用することができます。
効果:1割の確率で相手を「やけど」状態にする。
等倍範囲が広く、「どくどく」が通らない鋼タイプの弱点を突くことができる技。ラッキーと違ってC種族値が平均程度あるおかげで、メガゲンガーとの打ち合いもすることができます。
効果:1割の確率で相手を「こおり」状態にする。
メガボーマンダ、ガブリアス、カイリュー、ボルトロスなどへの打点となる技。上記の相手は、この技がなければ積みの起点にされてしまう恐れがあるので優先度は高いです。メガゲンガーに対しては威力が「かえんほうしゃ」と同じなので、どちらを選択するかについては相手の裏のポケモンを考えて行うと良いでしょう。
努力値配分
他のポケモンではなかなか見られない配分ですが、極端な種族値をしているハピナスにとっては合理的な配分です。まずBに252振ることで、役割破壊の物理技に強くなる上、サイクルを回せなくなった場合に強引に物理ポケモンの攻撃を耐えることが可能になるので立ち回りの幅が広がります。
さらにCに252振りして、攻撃技によるダメージをできるだけ稼げるようにします。これにより火力の低いラッキーとの差別化に繋がります。余りはHPの実数値が奇数になるようにHに4振りします。
Dは元の種族値の高さによってH4振りのみでも臆病C252振りメガゲンガーの「きあいだま」を2耐えできるほど耐久があるので、努力値を振らなくても特殊受けとして運用できます。
特殊受けだからといってHDに厚く振ったとしても、特殊耐久が過剰となる上に、物理耐久と特殊火力の低さが足を引っ張ってしまうことの方が多いです。したがって、ハピナスはBCベースの配分が相応しいと言えます。
運用方法
役割に従い、特殊ポケモンに後出ししていくのが基本となります。特殊ポケモンが役割破壊として持っていることがある「サイコショック」もBに振ることでそこまで痛手にはならないのも魅力です。
メジャーなポケモンの中では、メガゲンガー、ボルトロス、ロトム、ポリゴン2、クレセリアなどに後出しが安定します。物理耐久もそれなりにありますが、高火力物理ポケモンの攻撃を2回耐えることは難しいので、そのような相手は裏の物理受けポケモンに任せましょう。
ハピナスと相性が良いポケモンとしては、圧倒的な物理耐久を持つ「メガヤドラン」、使用率の高い物理ポケモンに強めな「エアームド」などがオススメです。
これらのポケモンを中心として組んだPTは「受けループ」と言われています。レーティングバトルや大会の上位プレイヤーの中でも一定の使用率が見られる強力なPTなので、ハピナスを育成したら「受けループ」に組み込んで運用してみると良いでしょう。